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相続税の負担を和らげる その2

相続税の負担を和らげる方法として、その1 では「申告すべき相続財産を減らす方法」について触れましたが、今回は相続の仕方で相続税を軽減させる方法の事例を個別に検証します。

相続税を軽減させる相続その1 配偶者になるべく沢山相続させる

上限目安は、1億6,000万円
※配偶者の税額軽減

配偶者は、被相続人と血縁関係がありませんが、他の相続人に対して断然有利になっています。

配偶者の法定相続分は、配偶者と子の場合1/2,配偶者と直系尊属の場合には2/3,配偶者と兄弟姉妹の場合には3/4です。もしこれらの相続人(子や兄弟姉妹)がいなければ、配偶者がすべてを相続できます。相続税についてみても、配偶者が取得した財産は、法定相続分か1億6000万円のいずれか大きい金額までは課税されないという特典があります。

参照:国税庁 No.4158 配偶者の税額の軽減

例えば、法定相続人が配偶者だけの場合は配偶者の法定相続分は100%なので、どんなにたくさんの財産を相続しても一切相続税がかかりません。先に亡くなる立場の人は、残された配偶者に不利益にならないように、遺言などで自分の思いを残しておくと一層安心感のある相続が行われます。

基礎控除との関係は?

基礎控除と配偶者控除は、使用する場所が異なりますので注意してください。

相続財産から基礎控除を引いた額が 課税遺産総額 となりますが、その課税遺産総額のうち、実際に配偶者が取得した財産に係る相続税に対して、配偶者控除を適用できます。

相続税を軽減させる相続その2 被相続人の住んでいた居住用の宅地は、そこに住み続ける相続人が相続する

小規模宅地の特例 を使用します

被相続人が居住していた土地に相続人がそのまま住み続けた場合、その土地の相続税評価額について330㎡(100坪)までの部分は80%減額して相続税の課税価格とすることができる という特例があります。市街地の住宅は通常この範囲に納まることが多いので、この特例が使えれば相続税が課されることは、かなり少なくなると考えられます。

参照:国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

方相続税を軽減させる相続その3 法定相続人を増やすために養子縁組する

課税最低限の上積みと税額計算の緩和

相続税の計算をする場合、全体の財産に対して 3000万円の定額の基礎控除 に加えて 法定相続人1人につき600万円の基礎控除 があります。

法定相続人2人なら1200万円、3人なら1800万円という具合に法定相続人の数が増えるほど控除額は増え、課税されるボーダーラインは高くなる(課税されにくくなる)わけです。

しかし、法定相続人のメリットはそれだけではありません。相続税の総額を計算する場合、法定相続人の人数に応じた税額が計算されるので、法定相続人の数が増えるほど相続税は少なくなります。

こうしたことから、養子縁組をして法定相続人を増やすという税抜対策は歴史的にポピュラーな方法として使われていますが、現在は税務上、子がいる場合1人、いない場合2人までしか法定相続人にすることは出来ません。

なお、各人の実際の相続税額は、その相続人の取得した財産が全体の財産に占める割合に応じて相続税が按分されます。したがって、全相続人に相続税の減額効果が生じるわけです。

相続税を軽減させる相続その4 被相続人が事業をしていた土地や事業を引き継いだ相続人が取得する

小規模宅地の特例

被相続人が店舗を持つなど事業をしていた土地については、評価額に対して400㎡までは80%の減額の適用ができます。居住用の宅地と同様に、小規模宅地の特例の適用を受けることが出来ます。

駐車場として賃貸収入を得ていた土地も、一定の要件が必要ですが、200㎡ まで 50%の小規模宅地の特例を受けることができます。

相続税を軽減させる相続その5 事業を引き継いだ相続人が会社の株を取得する

相続税の納税猶予

事業を法人化していた場合、事業が赤字続きで株そのものに価値がなければ問題はありませんが、法人に財産があり、現在の事業が好調ならば株式は一定の評価額となり相続税に影響します。

通常、事業を引き継ぐ人が原則として株式を引き継ぎますが、株式の価値が高く一人で相続すると相続上バランスが悪くなるような場合は、他の相続人も分けて持つということにならざるを得ません。

こうした場合、事業をする人は事業の経営権を侵害されることないよう、全体の50%以上は絶対に保有しなければなりません。そうすることで法定相続分を超えてしまい、他の相続人から異論が出るようなら、代わりに自分のお金で支払うということも一つの選択肢です。

なお、相続税法では事業継承に関する税金の納税猶予を設けて、事業者の保護を図っています。

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